2016年、高校生を対象とした調査を実施し、ヤングケアラーの存在割合は5.2%、約20人に1人が家族のケアをしている、という結果を示しました。これは日本初の調査でしたが、当時は関西のマスコミ数社が取り上げてくれたものの、反応はほぼありませんでした。
多くの場合、ヤングケアラーという存在そのものが信じてもらえず、むしろ都合の悪い事実のように扱われることもありました。様々な場でヤングケアラーのことを伝え続けましたが、周知、支援はなかなか進みませんでした。
そこで、2019年、元ヤングケアラー・若者ケアラー4名とともに、「集まれる場をつくろう。集まることで存在をアピールしよう。」と始めたのが「ふうせんの会」です。運営の資金もスキルも、見通しもなく、「とにかく始める」ことだけを目指しました。
その後、想像以上に、(元)ヤングケアラー・若者ケアラー、会の活動に賛同する支援者が集まり、さらに複数の企業、個人の温かいご支援も加わり、今日まで活動を続けることができています。
今、ヤングケアラー、若者ケアラーには追い風が吹いています。ただそれはあまりに強く、吹き飛ばされそうな感覚すら持つことがあります。方向を見失うことなく、真にヤングケアラー・若者ケアラーに向き合い、地に足のついた活動を、今こそしていかなければと思っています。
「ふんわり、やんわり、でもしっかり」ある運営メンバーはふうせんの会のことをこのように表現しました。ヤングケアラー、若者ケアラーと私たちの夢を乗せて、ふんわり、やんわり、でもしっかりと進む風船であり続けたいと思います。どうか末永く、見守り、ご支援くださいますようお願い申し上げます。